高校生時代、「ワル」「すてごろ専科」「飛べない翼」等、氏の原作の漫画をだいぶ読んでいたことを思い出す。荒俣宏は「ワル」を凡庸な作品といったそうだが、少年誌の中でなにか異質な、不思議と心に引っかかるものを感じさせる漫画だった。手元にないが、確か「ワル」の文庫本の解説は猪瀬直樹が書いていたように記憶している。
本名、高森真土(まつち)。最初、誤植かと思った。初見で「まつち」と読む人はいなかったろう。大抵の人は気を利かせて「真士(しんじ)」といったに違いない。ここらへんから氏の性格の複雑さが形成されたのではなかろうか。
十年ほど前、氏の出版サイン会に「凶器」の単行本を持参して「高森真士」名でサインしてもらったが、そのときの驚くほどソフトな握手の仕方と、はにかんだような微笑みが忘れられない。
ダンディズムの師匠である。
昭和53年2月の「週刊少年マガジン」の切り抜きを書庫にて発見。 |
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